2016年の電力自由化に伴い、2018年に設立された新電力会社「グランデータ」。
2023年3月、このグランデータと契約している人から「電気料金が高すぎる」や「解約できない」などの苦情がネット上で噴出しています。
インフルエンサーが取り上げたり、人気YouTuberも緊急で声明を出している状況。
一体何が起きているのでしょうか?
グランデータについて詳しく見ていきます。
目次
グランデータに苦情殺到。一体何が起きてる?
まずは一体どんな声が上がっているのか、見ていきます。
2023年3月15日、Twitter上で炎上事件などを取り上げている滝沢ガレソ氏が以下のようなツイートをしています。
https://twitter.com/takigare3/status/1635879152065843200?s=20
「法外な電気代を請求された」や「解約できない」といった声が滝沢ガレソ氏の元に寄せられているという。
電気代について具体的に見ていくと、例えばひとり暮らしの人が一カ月分で約5万円を請求されたり、5人家族で約13万円の請求がされているとのこと。
これはかなり高額です。
世間の電気料金、一カ月の平均額を調べてみました。
1人暮らしで約6500円、5人家族で約15000円のようです。
比較するとグランデータは10倍近く請求していることになります。
かなり異常だということが分かりますね。
法外な電気料金以外にも、解約しても解約されないという不思議な苦情もありました。

引用:Twitter
上の投稿をみると、グランデータに解約の電話をしたのに、まだ契約中になっているということだったそうです。
この方は、その後も電話で伝えたことが伝わっていなかったりと、グランデータのいい加減な仕事にお怒りのツイートを投稿していました。
さらに、電力会社契約に際してかなり悪質な勧誘をしているとのこと。
「東京電力」等の文言で検索をかけると、東京電力公式HP以外のサイトもヒットするようです。
そちらのサイト「東京電力」と書いているように見えますが、良く見ると電力の「力」がカタカナの「カ」になっています。
これは普通区別がつきません。
うっかりこっちのサイトに行ってしまうと、東京電力以外の新電力業者を薦められるようです。
明らかに利用者の誤認を利用した詐欺ですね。
こういうことがグランデータを筆頭に新電力会社で横行しているようです。
有名YouTuber「たっくーTV」も被害に!?
チャンネル登録者数141万人の有名YouTuber「たっくーTV」も、2023年3月16日に「【緊急】終わったかもしれん」というタイトルで動画を上げました。
こちらの動画では、たっくーが住んでいる新居の電気契約会社がグランデータだったとのこと。
今回の騒ぎをTwitterで知り、うちもヤバいかもしれないといった内容の動画となっています。
動画では契約時に起きたトラブルも紹介しています。
たっくー氏はこの新居に住む際、不動産会社にグランデータを薦められたとのこと。
そして契約から1カ月後、グランデータの人から「こちらの家はすでに電気が通っているので、うちの電気が通せない。不動産屋に確認して下さい」と言われたようです。
たっくー氏曰く、その家は新築で別の会社の電気が通っているわけがないとのこと。
契約から1カ月も経っているのに、そんなことを言ってくる時点でヤバいことが分かりますね。
その後、不動産屋に電話して、不動産屋の方からグランデータに話を通してもらうと、再びグランデータから電話が。
その内容が、たっくー氏との契約の内容が一つも残っていないとのこと。
ちょっと意味が分からないですね。
結果、また一から契約をし直すことに。
契約もグダグダ、データの管理も杜撰と、会社としてかなりヤバいことが分かります。
現在、たっくー氏の元には料金の請求は来ていないとのことで、今後また何かあれば動画報告してくれるようです。
また、こちらの動画にはこういったコメントがありました。
こちらの方、東京電力に薦められてグランデータと契約したと書いていますが、東京電力が他の会社を薦めるわけがないので、恐らく前述した、東京電力を騙ったサイトから誘導されて契約させられたのでしょう。
この様に、騙されたことにも気づいていない人がまだまだ多くいそうです。
もっと世間に広めないと、被害者が次々出てきそうですね。
グランデータとはどんな会社?赤字がヤバい!?
グランデータについて調べてみました。
- 会社名:株式会社グランデータ
- 所在地:東京都豊島区南池袋2丁目9番9号
- 創業:2018年7月13日
- 資本金:582,915,000円
- 業務内容:インフラ事業
- 代表取締役:手島太一
本社は東京の池袋にあります。
調べてみるとこちらのビルの様です。
4階建てで、ビルと呼ぶには少し小さい印象です。
電力会社の本社があるにしては質素な作りで、大丈夫かなと不安になってしまいます。
代表取締役社長は手島太一氏。
福岡県久留米市出身で現在36歳です。
まだ若く、経歴と呼べるほどの実績がないようで、調べても多くの情報は出てきませんでした。
このグランデータですが、以下の情報もTwitterで話題になっていました。
https://twitter.com/takigare3/status/1635892491982606336?s=20
「▲」はマイナスを表すので、利益は軒並みマイナス。
純資産もマイナス85億と、倒産まったなしの状態です。
Twitter上でも、「返金を求めても倒産の方が早くて取り返せなそう」という意見があります。
このままだと、利用者は泣き寝入りしないといけなくなりそうですね。
グランデータの言い分。燃料費調整制度とは?
利用者から苦情が殺到しているグランデータですが、グランデータ側の言い分はどうなのでしょうか?
公式HP上では以下の様な文章を載せています。

引用:グランデータ公式HP
資源の価格が高騰しているため、電気代が上がっているとのことです。
最後の「事情を賢察の上」という文言が、「こっちにも事情があるんだから、頭使って考えろよ」と煽っているように聞こえますね。
もう少し、中身を詳しく見ていきます。
グランデータの言い分では、「燃料費調整額」の分が上乗せされているとのこと。
実際、Twitterを見てみると燃料費調整額が高いという投稿が沢山あります。
上記の方の場合、使用料プラス25000円の燃料費調整額が上乗せされています。
この「燃料費調整額」が何かというと、原油価格や液化天然ガスの価格から算出される燃料価格の変動を調整する額とのことです。
この燃料費調整額は、電力会社の独自の算出方法で額を決められるので、今回のグランデータのようなことが起こるようです。
経産省はメディアの取材に対して、以下のように答えています。
「電気は、自由料金となっていますので、料金は事業者の裁量で決められます。あくまで事業者の経済活動の一環ということです。料金算出の計算式を定めるなど請求の根拠を示すといったガイドラインはありますが、それに抵触しなければ、直ちに問題とはなりません。新しい市場価格調整の導入についても、経営判断になります」
つまり、あくまで事業者の裁量であって問題とまでは言えないということです。
しかし、明らかにボッタクリの様な金額でも違法性はないというのは問題があるように思います。
電力自由化は2016年に始まった制度で、まだまだ法整備がしっかりされていない印象。
こういったことが今後も起きることが予想されるので、経産省にはもっとしっかりとした制度作りをしてもらいたいものです。
グランデータでは、今回の批判を受け、3月16日に説明文をHPに乗せました。

引用:グランデータ公式HP
要約すると、価格の高騰はグランデータだけではなく世界的な事で、今回他の会社に比べて高額になってしまったのは、電気を一番使う時期と値上げのタイミングなど色々なことが複合的に重なった結果だということ。
悪質なグランデータへの誘導や、解約できない件なども弁明していますが、どれも苦しい言い訳に聞こえます。
詳しくは以下のサイトを見てみて下さい。
グランデータは火消しにやっきになっているようですが、ネット上では「巨額の負債弁済のための養分が燃料費調整額」という見かたが大勢を占めます。
あれだけの赤字を出していて、電気代が法外な額なら、そう思われてもしょうがないですね。
グランデータや今回の騒動に対する世間の声は?
今回の件について、世間ではどのような声があるのでしょうか?
一部ピックアップしてみました。
Twitter上では、グランデータの被害にあった人の苦情が殺到していますが、当事者ではない人達からは冷静な意見が多く聞かれました。
新電力に対しては最初からリスクがあることが分かっていて、利用者にも一定の責任はあるという意見です。
もちろん無責任な事業者や経産省にも責任があるので、「どっちもどっち」という意見が多く見られました。
制度自体に問題があるという意見です。
今回のグランデータのような、自社で電力の供給ができず、他社から電力調達してくるような事業者にも小売自由化してしまったことが問題だという意見も多く見られました。
他社から調達したものを自社の独自基準で値段設定して販売するというのは、「転売」に通じる問題があるように思えます。
この辺りの制度ももっと厳密に決める必要がありそうです。
こちらの方は、安易に契約してしまう消費者にも問題があるが、問題の本質は大手電力会社を装って勧誘することではないかという意見です。
これは本当にそうだと思います。
実際、前述したように、これだけ騒ぎになっていても「東電から勧められた」ということを疑わない人もいます。
色々な情報が飛び交っている昨今、間違った情報に騙されないようにするのは至難の業です。
今回のような明らかに消費者を騙すために作られたサイト等は取り締まっていくべきだと思います。
電力自由化に伴ってグランデータのような新規参入の会社が乱立している状況です。
今回の事件は氷山の一角でしょう。
今後もこの件について注視していきたいと思います。
また新しい情報が入り次第、更新していきます。