近年猫の品種の中で人気を集めている「マンチカン」。
指原莉乃さんや高橋みなみさんも飼っており、ペットショップでも頻繁に目にする品種のひとつです。
ダックスフンドやコーギーを連想する短い手足が特徴のマンチカンですが、一体どのような品種なのでしょうか。
詳しく解説します。
マンチカンはなぜ「短足」なのか
マンチカンの最大の特徴である「短足」は、突然変異によるものです。
北アメリカのトレーラーの下にいた短足の野良猫がマンチカンの起源であり、さまざまな研究の結果、短足の理由は「障害」によるものではなく「変異」によるものだと分かりました。
その後、血統種とするため人間の手によって交配が進められましたが「遺伝的な異常を持つ猫を増やしてはいけない」という人と「珍しい体系の猫を増やしたい」という人たちとの衝突が勃発。
何度も衝突を繰り返しましたが結局マンチカンは新種と認められ、現在では人気の品種として飼育頭数を増やしています。
短足であるため、運動能力は劣ってしまうイメージを持ちますが、他の猫と同様の運動能力を持ち、ジャンプや木登りも得意です。
短足の欠点は? 肥満には要注意
マンチカンの特徴でもある短足の欠点としては、ダックスフンドやコーギーと同様「椎間板ヘルニア」にかかりやすい点です。
短い足で体重を支えることは、足や関節に大きな負担をもたらします。
肥満は椎間板ヘルニアの確率をさらに高めてしまうため、体重管理は飼い主がしっかりとしてあげるようにしましょう。
椎間板ヘルニアは早期発見と早期治療が重要な病気です。
「動くのを嫌がる」「歩き方がいつもと違う」といった場合にはすぐに動物病院を受診するようにしましょう。
マンチカンのキャットタワー選びは慎重に
肥満防止のために運動は欠かせませんが、階段や高い場所からの着地は足に負担がかかるため、マンチカンの場合避けた方が無難です。
他の猫と同様キャットタワーは運動に最適ですが「低くて上りやすいもの」「ステップがついているもの」を意識して選ぶようにしましょう。
マンチカンの性格は?
個体差はあるもののマンチカンは人懐っこく社交的な性格で、人や先住動物ともすぐに打ち解けることができるといわれています。
警戒心よりも好奇心の方が勝るため、食器や充電ケーブルなどの落としたり噛みそうなもの、誤飲してしまいそうなものは届かない位置に置いたり撤去するようにしましょう。
飼い主に甘えん坊で、初めて猫を飼う人にも飼いやすい品種とされており、留守番も得意とされています。
マンチカンの値段は? 子猫・成猫、足の長さで価格は異なる
マンチカンの価格は4~45万円が相場とされており、他の猫と同様、成猫よりも子猫の方が価格は高く設定されています。
マンチカンは全て短足だとは限らず、短足・中足・長足の3つの長さに分類され、短足のマンチカンが高値で取引されます。
マンチカンのうち8割は中足か長足とされており、短足のマンチカンは2割ほどしかみられません。
強く特徴が出ている子は高く、特徴が弱い子は安くなる傾向にあり、マンチカンの場合短足と長足では10万円程度価格が異なる場合もあります。
マンチカンに似た「ミヌエット」や「スコマンチ」も近年人気
日本ではマンチカンほど知名度はないものの「ミヌエット」や「スコマンチ」と呼ばれる品種も近年注目を浴びています。
ミヌエット
ペルシャ猫のような長毛と、マンチカンのような短い手足が特徴のミヌエット。
日本では指原莉乃さんがマンチカンと一緒に飼育していることが知られています。
元々「ナポレオン」という品種だったのですが、固有名詞を使用することに異議があり「ミヌエット」という名前に変更されました。
1996年に誕生した品種のため、個体数も少なく「希少」な品種とされ、現在も研究が進められています。
マンチカンと同じく椎間板ヘルニアになる可能性が高く、心臓を動かす筋肉が太くなる肥大型心筋症を発症しやすい品種です。
適切な食事管理と運動、定期的な健診を欠かさないようにしましょう。
スコマンチ
スコティッシュフォールドとマンチカンを掛け合わせた「スコマンチ」。
名前の通りスコティッシュフォールドの垂れ耳とマンチカンの短足を持つ品種です。
ミヌエットは血統書登録された品種ですが、スコマンチはミックス(雑種)です。
どちらも高値で販売されている人気の品種ですが、マンチカンで短足な子は2割、スコティッシュフォールドの垂れ耳は5割のため、どちらの特徴も強く受け継ぐスコマンチは珍しく、高値で取引されています。
猫の交配は賛否両論
手足が短いマンチカンを見て「かわいい」と思う人がいる一方で「かわいそう」と思う人も少なくなりません。
人間のエゴで作り出されたと感じてしまうのでしょう。
確かにマンチカンは手足が短い分、椎間板ヘルニアになりやすいリスクも持っています。
「かわいい」だけでなく、病気にかかった際の治療費を負担できるか、毎日運動不足解消のために遊んであげる時間を作れるかも考えて迎え入れることを検討してくださいね。