劇団「DULL-COLORED POP」に所属する、女優の大内彩加さんが、同劇団を主宰する劇作家の谷賢一さんをセクハラで提訴しました。
2022年11月24日に550万円の損害賠償を求め、東京地裁に訴状を提出したとのこと。
大内彩加さんは劇団に入団した2018年から現在までセクハラを受け続けていたというこうです。
事件の経緯や、大内彩加さん、谷賢一さんの素性を詳しく見ていきます。
目次
大内彩加さん、谷賢一さんのプロフィール
まずは大内彩加さんと、谷健一さんのプロフィールや経歴を見ていきましょう。
大内彩加さんのプロフィール
- 名前:大内彩加(おおうち さいか)
- 年齢:29歳
- 住所:東京都
- 出身:福島県
- 職業:女優
- 身長:169㎝
大内彩加さんは2018年に谷賢一さんが主宰する劇団「DULL-COLORED POP」のオーディションに合格し、入団しました。
多くの舞台をこなす一方、ドラマや声優としても活動。
ドラマでは「仮面ライダー」や「釣りバカ日誌」などにも出演しています。
谷賢一さんのプロフィール
- 名前:谷賢一(たに けんいち)
- 年齢:40歳
- 住所:福島県双葉郡双葉町
- 出身:福島県石川郡石川町(千葉県柏市育ち)
- 職業:劇作家
- 身長:185㎝
明治大学の文学科演劇学専攻で、明治大学在学中に渡英し、カンタベリーケント大学で演劇学を学びました。
帰国後、劇団「DULL-COLORED POP」を旗揚げし、劇作家・脚本家として活動。
第23回鶴屋南北戯曲賞など、いくつかの賞を受賞しています。
プライベートでは、2011年に俳優・田中沙織と結婚。
2013年に一度離婚しますが、2016年に再婚し、長男と次男を儲けています。
2022年10月には、福島県双葉郡双葉町に引っ越します。
谷賢一さんの母親が福島県双葉郡浪江町出身であることも関係していると思います。
奥さんと子供はそのまま都内で暮らしているそうです。
大内彩加さんの訴えたセクハラの内容とは?LINEも公開
大内彩加さんはいったいどういったセクハラを受けたと訴えているのでしょうか?
大内彩加さんが日頃の思いを綴っているメディアプラットフォームの「note」で今回の件について、細かく記載しています。
「全ての人達へ」と題された文章には以下の様なセクハラがあったと書いています。
私は2018年6月から谷に「日常的に胸やお尻を触る」「卑猥な言葉をかけられる」「卑猥な内容のLINEが送られてくる」等の性加害を2021年3月まで受け続けました。もっと深刻な、辛すぎる性加害もありました。詳細は訴状に記載しています。
大内彩加さんは主に上記の様なセクハラを受けていたとのことで、さらにはnoteには書けないようなこともあったといいます。
こちらには書かれていませんが、訴状には2018年7月に都内で谷賢一さんと飲酒した後、終電を逃したからと大内彩加さんの家に押しかけ、無理やり性行為をさせられたということが書いてあるとのことです。
12月20日に行われたオンラインの記者会見では上記にある「卑猥な内容のLINE」の一部が公開されました。
LINEの内容は以下の通りです。
「大内くん、彼氏できたんだってね…。おめちゃんと報告しろよ……。勝手におっぱい触ってごめんね……また触っていいときあったら教えて下さい触りたいです……」(原文ママ)
この内容が事実だとしたら、かなり気持ち悪いですね。
noteではそれ以外のハラスメントについても書かれています。
一部を紹介すると、「飲酒しながら稽古をする」、「女性キャストに肩を揉ませる」、「態度に大きく不快感を出しながら稽古をする」、「急に人を叩く、蹴る」などで、セクハラとパワハラのオンパレードといった感じです。
入団当時から、セクハラを受けていたという大内彩加さん。
劇団員に相談したこともあったそうですが、「大内よりも酷い被害を受けてきた人はたくさんいるからなあ」と言われたそうです。
劇団全体がこの状況に慣れてしまっている様子が分かりますね。
2022年6月に劇団内のハラスメントについて話し合う会が開かれたそうですが、谷賢一さんは「自分はハラスメントしたことはない」と発言したとのこと。
ハラスメントをしている自覚がなかったようです。
大内彩加さんは適応障害・うつ病を発症し精神科に通院中とのことで、これ以上被害者を増やさないためにも、今回提訴に至ったと記しています。
11月24日付で東京地裁に550万円の損害賠償を求めています。
今後の裁判の行方に注目が集まります。
セクハラ提訴に対しての谷賢一さんの反論は?
それでは、今回提訴を受けた谷賢一さん側の主張はどうなっているのでしょうか?
谷賢一さんは自身のHPに「本日公開された大内彩加さんの文章について」というタイトルの文章を載せています。
そちらを詳しく見ていきましょう。
私は自分自身、全く聖人君子ではなく、非常に大きな問題を抱えた人物であると自覚しております。
かつては稽古場で怒号を飛ばしたこともありました。
性的なハラスメントもあったと反省しています。
それらについては時効はありませんから、機会を頂きつつ謝罪や和解を続けていきたいと考えています。
谷賢一さんは文章の序盤に上記の様に記しています。
かつてはハラスメントをしていた自覚があったとのこと。
しかし2016年に演劇現場で、年上の俳優やプロデューサーからパワハラを受け、自分も含め周りのメンバーが委縮していた姿を目の当たりにし、今後はこういった手段に頼らないようにしようと自身に誓ったということです。
彼女と初めて仕事をしたのは2018年です。
私が彼女に対し訴えにあるような行いをしたことはございません。
大内彩加さんが入ったのは2018年のことなので、その頃にはパワハラやセクハラはなかったと主張しています。
こういった変化は、長く接しているスタッフや団員が証言してくれるとも記されています。
さらには以下の様な記述もありました。
またここには書けませんが、彼女に対する強い別の反論と抗議も持ち合わせております。
HPには載せられないが、今回の提訴に対して反論できる強い材料があるということです。
谷賢一さんは、今回の訴訟に対して名誉棄損であるとし、取り下げられるまで戦う覚悟があると表明しています。
大内彩加さんが訴えたセクハラ訴訟の影響は?
今回の件で少なからず、谷賢一さんの周りに影響が出ています。
2022年12月16日に公演を予定していた『家を壊すー他、短編ー』を、主催者の意向により、前日の15日に公演中止にすることが決定しました。
こちらの演劇は谷賢一さんが作・演出を担当していた作品です。
このことを受け主演の南果歩さんが自身のインスタグラムで思いを綴っています。
12月16日に初日を迎えるはずだった
「家を壊す」
公演中止となりました。演出家谷賢一さんへの、ハラスメント行為の提訴を受けての判断です。
公演中止は残念でなりませんが、しかし、勇気を持って実名で告発した方の心情を思うと、本当にいたたまれません。
人間の尊厳は決して犯されてはなりません。
どんな状況下においても。
南果歩さんは大内彩加さんの主張を支持し、公演中止もやむなしと判断したようです。
この日のために一生懸命稽古してきたと思うので、断腸の思いだとは思いますが、同じ女性として今回の件は許せなったようですね。
また、谷賢一さんが所属していた劇団「青年団」が、谷さんの退団を発表しました。
青年団を主宰している平田オリザさんが公式HPにて谷さんの退団の経緯を説明しています。
説明文には以下の様に書かれていました。
法律上は推定無罪の原則もありますが、被害に遭われた方の心情をより重く考え、また告発文にはなく訴状には記されている情報も得ていることから、今回の措置を執るに至りました。
まだ刑は確定していないが、大内彩加さんの告発文には記されていない情報も別の方面から得ているということで、谷賢一さんを退団させることになったようです。
谷賢一さんに関わった人間と多く接している平田オリザさんだからこそ知りえる情報なんかもあるのでしょうね。
さらに、谷賢一さんが主宰する劇団「DULL-COLORED POP」の団員である、宮地洸成さんが劇団を退団することにしたようです。
こちらも宮地さんの「note」に、自身の退団についての文章を載せています。
この文章の中で、宮地さん自身も大内彩加さんと同じようなハラスメントを受けたと告発しています。
また私自身も谷からハラスメントを受けたり、目撃することがありました。
宮地さんは男性なのでセクハラを受けたことはないようですが、パワハラは日常的に行われていたとのことです。
セクハラに関しても、大内彩加さんが告発した内容と同じようなことを多数目撃していたとのこと。
このまま劇団活動を続けることで彼の過去の加害を黙認し続け、被害を受けてきている方を抑圧してしまうことを、なによりも看過できません。だから、劇団を辞めることにしました。
退団理由を以上のように語っています。
いままで、谷賢一さんがやってきたハラスメントを見逃してきたことへの後悔なども綴られています。
宮地さん以外も、現在進行形で次々退団者が出ているようです。
今回の告発は演劇界にまだまだ波紋を広げそうです。
大内彩加さんや谷賢一さんに対する世間の声は?
今回のセクハラ訴訟に関して、世間はどのような意見を持っているのでしょうか?
一部ピックアップしてみました。
谷賢一さんの反論文書見ましたが、昔パワハラもセクハラもしてたけど、 今はしてないって感じでしか書いてなかった。
事実無根なら彼女の家に行ってない、行為を行ってないと書けばいいのに。
やはり、谷賢一さんの意見の方が疑わしいとして、大内彩加さんを応援する意見が多く見られました。
大内彩加さんが勇気を出して告発したことを賞賛する声なんかも見られましたね。
その一方で冷静な意見もあるようです。
証拠に基づかない真実は、神様くらいしか分からない。
人間や社会にとっては、証拠がすべてというほかなく、見守るしかない。
ネットなどでは、最初に被害を訴え出た方が真実を述べていると受け取られ易い傾向もあるかもしれないし、実際に真実と認められた事例もあろう。
しかし、我々は最近、女性の草津町議が、町長からわいせつ行為を受けたと実名・顔出しで訴え、一時大炎上したものの、後に虚偽と判明し、名誉毀損や虚偽告訴で起訴されたという事案を見たばかりだ。
現状では、まだどっちの意見が正しいか分からないから、批判をするのは早いという意見もチラホラ見かけました。
確かに、最初に報道された内容を丸々信じて、無実の人を糾弾したという事例も過去にはあります。
はっきりするまでは一方的な発言は控えた方がいいかもしれません。
ただ、今回に関しては、すでに大内彩加さんの意見を後押しするような、第三者からの意見も出てきているので、谷賢一さんの分は悪いかもしれないですね。
芸能界は本当にパワハラ、セクハラ、性暴力が酷い。
圧倒的に、監督、主宰、プロデューサー等が多い。
キャスティングに口を出せる者が、力を利用したり、立場が上だからやる者ばかり。
もう、昭和ではない。 被害者も、やられたら、堂々と告発した方がいい。
業界自体が悪いという意見もありました。
確かに、芸能界や演劇界ではハラスメントに関する事件がたびたび報道されます。
テレビや舞台で使ってもらうためには、「権力のある人に気に入られる必要がある」という風潮があるようですから、それを利用したハラスメントが横行しているのでしょう。
今回も劇団内では昔から谷賢一さんのハラスメントは認知されていたようですが、改善されなかったようです。
そもそも谷賢一さんに意見できない。
また勇気を出して意見しても握りつぶされる。
こういったことが日常的にあったということでしょう。
それでも舞台に出たい俳優さんは我慢するしかなかったという状況が、長く続いていたということです。
この事件をきっかけに、こういった封建的な風潮をクリーンにする動きがあればいいですね。
また、新たな情報が入り次第追記・更新していきます。