淀川に現れたクジラ、「ヨドちゃん」と入れ替わるように現れたトド。
現在は、羽田空港付近の東京湾にとどまっています。
既に、「トドちゃん」、「羽ちゃん」と愛称を付けている方も多いようですね。
そこで今回は、トドが今後どうなるのか?についてお届けしていきます。
ある理由から、悲しい運命をたどってしまいそうです。
合わせて、トドの意外な一面や、危険性についても紹介しますよ。
トドなのか?
羽田空港のトド撮影できた! pic.twitter.com/y4YNchw4DG
— ほり (@horicun) January 17, 2023
そもそもの話なのですが、実は現段階ではトドと断定されていないんです。
そのため、「トドらしき生き物」と表現するのが正しいとされています。
というのも、トドは他の似た生き物と見分けるのが、かなり難しいんです。
セイウチとトドとオタリアとオットセイとアシカとアザラシの見分け方のざっくりなやつ(オタリアいれたので再度)。アシカのオスはつるりとしてます。オタリアのオスはチベタンマスチフみたいな上半身ダヨ。 pic.twitter.com/5GAdijFBRb
— 黒井・綾鷹・健一 (@komatuEV) October 12, 2014
こちらは、トドとその他の生き物との見分け方をイラストにまとめているツイート。
見てもらうとわかりやすいのですが、トドを見分けるポイントは、大きく3つです。
1. アシカより大きい
2. セイウチより小さい
3. 牙がある
いかにトドを判別するのが難しいかわかりますね。
ちなみに、耳たぶがあるというのもトドの特徴だそうです。
しかし、オットセイなどにも耳たぶがあるので、これも決定打にはなりません。
とはいえ、多くの専門家がトドと見ていることから、十中八九間違いないでしょう。
ちなみに、トドだとすると大きさから、メスか子供と推測されるそうです。
トドは弱っている?

引用:中日新聞
そんな謎多き東京湾のトドですが、実は衰弱しているそうです。
トドは1日に10~20キロ以上のエサを食べるのですが、東京湾にいるトドは何も口にしていません。
また、ほとんど移動しないことからもかなり衰弱しているとみられます。
どうしてそんなに衰弱しているのか?と思いますよね。
そこには、トドの生態が関係しています。
もともと、トドは北太平に生息しています。
しかし、南下する潮の流れに巻き込まれ、東京湾まできてしまったようです。
慣れない環境というだけでも弱ってしまうそうですが、加えて、群れからはぐれたこともストレスとなっているようです。
トドは殺されてしまう?
そんなに弱っているのなら、保護してあげてほしいと思いますよね。
しかし、結論からいうと、それは無理そうです。
水族館でショーをしているなど、かなり親しみのある生き物なのになぜでしょうか。
実はトドは、その捕食量から深刻な漁業被害をまねく生き物。
そのため、1959年から駆除対象生物に指定されています。
普段から駆除している生き物なのですから、弱っていてかわいそうという理由だけで保護されることはないでしょう。
ただし、絶滅を防ぐために駆除するのは、年間116頭までと厳格に定められています。
そのことから、すぐに駆除される可能性も低そうです。
追い返される可能性もある?
では、トドはどうなるのでしょうか。
過去の事例を見ていくと、その答えがわかりそうです。
実は、トドが街中に現れるのは、珍しいことではありません。
2004年には、北海道にある斜里町の住宅街にトドが現れています。
その際は、市の職員が15人がかりで毛布にくるんで、トラックの荷台に押し込みました。
そして海まで運んでから解放しています。
こうした事例から、東京湾のトドも羽田空港内に侵入した際は、海に追い返されると思われます。
とはいえ、現在の場所に居続けるなら、無理に追い返されることもなさそうです。
余談ですが、トドの駆除は銃を使って行われます。
60年代までは自衛隊が管轄していて、航空機でトドの群れの上空を飛行し、機関銃でなぎ倒したそうです。
思いのほかハードな駆除方法ですね。
少し衝撃が強いのですが、気になる方は動画を見てみてください。
トドは人を襲う?
この記事を読んでいる方の中には、トドを見物に行こうと考えている方もいるのではないかと思います。
しかし、近づきすぎるのは大変危険です。
トドは賢く温和な性格であると言われています。
しかし、身の危険を感じれば、人を襲うこともあるんですよ。
その攻撃力は漁網を引きちぎってしまうほど。
そんな一面から、英語圏でトドは、「sea lion」、つまり海のライオンと呼ばれています。
とはいえ、やはり群れからはぐれて弱っているのはかわいそうなので、陰ながら応援してあげましょう。